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【横塚裕志コラム】日本を変えるパワーって何かな

DBICは、大企業が変わることを梃にして日本を変えようという想いから、大企業が変わるための支援をすることを目標に活動している。そして、昨年末、私たちの想いを「DBIC VISION PAPER 2」と題した100ページの冊子に込めた。まだお読みいただいていない方のためにその概要を書くと以下の通り。

<ストーリー>

IMDが発表している「世界競争力ランキング」の上位国である、デンマーク・シンガポール・スウェーデン・スイスの国家戦略からヒントを得て、日本企業が再生するために採るべき戦略を提言している。

<構成>

  1. 4つの国は、「4つの限界(資源の限界・成長の限界・適応の限界・持続の限界)に「気づき」、それを踏まえた生き残り戦略を採っており、それが各国の強みとなっているのではないか、との仮説を明治大学の鈴木教授が解説する。
  2. 4つの国の大使館・企業・その他機関へのインタビュー
  3. 鈴木教授とDBICで日本企業へのインサイトを得る
  4. 日本企業への提言・処方箋を発信する

今後、このVISION PAPER 2を題材にして、日本企業の再生を皆さんと議論し、トライしていきたいと考えている。既に、読まれた方からは多くのコメントをいただいているが、その中の一つをご紹介したいと思う。鳥取県にある青翔開智中学校・高等学校の織田澤校長からのコメントである。DBICのメンバーではないが、設立時から意見交換している良き仲間である。

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お世話になります、青翔開智の織田澤です。
レポート拝見しました。

勝手ながら教員にも共有させていただき
「短期的には高3の受験・進路も大切」だけど
「国際的にみた日本の状況も踏まえて進路支援をすること」と伝えました。

長期的に見れば

  1. 日本から精神的に脱出し自立できる大人
  2. 物理的に世界のどこでも働いて生きていける大人
  3. 消滅可能性のある鳥取で生活する家族を支援できる大人

育成が大切で、こちらが本丸・本質であり、偏差値や大学のブランドは関係ない。
と改めて伝え、人材育成ビジョンの再認識を図りました。ありがとうございます!

レポートにあった

  1. 「管理」ではなく「マネジメント」ができる人財
  2. 「信頼」を形成できる人財
  3. 「限界」を察知して解決策を死ぬ気で考えられる人財

上記の人財を育てるために教育業界で何ができるかを考える必要があると思いました。

今の学校は「管理」を学ぶ色合いが強いので
校則を基本としてルールの運用の仕方を勉強することに重きが置かれています。
どうやら、これだけではダメなようです。
学校で「マネジメント」を学ぶ。
ルールの運用ではなく、倫理の運用の仕方を勉強すべきだと思っています。
そうすることで「信頼」ある組織形成ができるようになるのでは?と仮説を立てています。

本校は来年度から「社会の中で自分の感情をどうコントロールするか」を学ぶ授業を新しく開設します。
哲学対話などを多く取り入れて、状況を多角的に判断し、時間が経って状況が変われば、判断に変化を加えることができる生徒になって欲しいと思っています。

教育の目的の1つとして社会から求められる人財の育成と教育基本法にもありますので、ぜひ4月の講演会で社会から教育へ求められるニーズを知りたいです!

よろしくお願いします

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このメールを読んだ瞬間、私の体の中に大きな衝撃が走った。その感情を言語化するのは限界があるが、少なくとも、以下の3つの思いが渦巻いた。

  1. 人を育てたいという熱い愛情をお持ちの方に共感いただいた
    権威もなくちっぽけなNPOのレポートを、これだけ真摯に読み込み、その内容を自分ごととして理解し、即座に学校の教育方針に反映させるという行動に感動した。少しでも日本のためになる人財を育成したいという信念の強さ、その反応の速さ、溌溂さ、気持ちよさ、に圧倒された。
  2. 日本を変えるパワーってこれだな
    自分の信念に基づいて、楽しそうに、組織の変革にチャレンジしていく方を間近に見て、日本を変えるパワーは、権威でもなければ、補助金でもなく、目指すゴールへの共感パワーなのだと激しく感じた。変えたい人が集まって、変えたい方向を見定めて、どんどん行動して、みんなで共有して、繰り返し軌道修正しながら進んでいく。そういうパワーが日本を変えることになると実感した。
  3. 私自身が恥ずかしい
    「VISION PAPER 2に共感してメンバー企業が増えるといいなあ」などと考えていた小さい自分を恥ずかしく思った。周りからの目は気にせず、堂々と自分たちの信念を磨き上げることに努力していこうと叱咤された。

メンバー企業の皆さんと議論いただく場として4月14日に開催予定の企業変革実践シリーズに織田澤さんをお招きする。未来に向けて大いに議論したい。

※DBICでは12月16日にVISION PAPER 2「Small Smart Nationsから学ぶ信頼経営への進化」を発刊しました。このコラムにも通じる内容ですので是非ご一読ください!
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デジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)が活動を続ける理由

設立エピソード

2014年、世界で起きていることを肌感覚で確かめるため、半年をかけて世界を回った。そこで感じた危機感を日本企業に正しく伝え、行動を促すための研究会を発足するために奔走。26社の名だたる企業と世界有数の大学と連携し、デジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)の立ち上げとともに我々のイノベーションジャーニーが始まった。

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