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【横塚裕志コラム】メタバースの世界で こんなことをやってみたい

次のキラーサービスが「メタバース」と言われている。世界の多くの企業が覇権争いを始めているようだ。フェイスブックが社名を変更してまで「メタ」にこだわっているほど、次の時代を牛耳る代物らしい。「メタバース」とは、ネット上の「もう一つの世界」ということらしいが、私は不勉強でそれ以上のことはわからない。現実に近いもう一つの世界をネット上に作ることができるとすると、その世界の中でどんなことができるのか、夢が膨らんでいく。勝手に二つのことを妄想してみた。

1.自分の家庭が権利を持つ多くのサービスを可視化して投影する世界

私たちは税金を払ったり、使用料を払ったり、ものを購入したり、保険料を払ったりして、多くのサービスを受ける権利を保有している。公共のサービスや自治体のサービス、民間のサービスなど非常に幅広い。しかし、それを正しく認知していなかったり、忘れていたり、連絡先が不明のために見失っていたりしている。そのサービスが全部メタバースの世界の中に「横塚様のサービス」として明示されているとしたら、こんな便利なことはないではないか、というのが妄想のスタートだ。私の家は○○市のサービス内にあり、風邪ひいたときに行く病院は○○で、保険サービスも私や妻の固有の契約が何本かある。そういう私と妻の固有の世界をメタバースに作っておけば、何かあった時に助かるような気がする。
例えば、週末に発熱した時に、発熱外来はどこか、休日診療はどこか、コロナの疑いがある場合はどうすればいいか、保健所の連絡先、などもう一つの世界に入り込んで教えてもらう。病気が治れば治ったと言えば、保険サービスがあるからこうしなさいと教えてくれる。急に、お風呂が故障したらどこに連絡するか、最寄りの銭湯はどこか教えてくれる。クーラーが壊れたら、そのクーラーの保守サービスの内容や購入先を教えてくれる。冬の寒さを防ぐために窓を二重化したいと思えば、都と市の補助金サービスや最寄りのガラス屋さんを教えてくれる。
そういう私が得られるサービスを「もう一つの世界」にリアルにつくれれば助かる。もちろん、行政サービスは自治体によって異なっているし、変更される。保険内容も個人別にすべて異なるから、実際に構成することはそう簡単ではない。しかし、「情報」はどこかに存在しているわけだから、いかに集約して私たちが使いやすい世界に仮想できるか、という問題だけだ。これを日本政府ができるとは思えないから、保険会社だったり、グーグルだったり、フェイスブックだったり、どこかの会社がプラットフォームをつくり、多くの機関・企業とコラボして、個々の情報を集めデータベース化する仕組みをつくることになるのではないだろうか。そうなれば、面白いことになりやしないだろうか。このような今までに存在しない未知の構想に、粘り強くチャレンジしていくのが、ほんとうのDXなんだろう。

2.自分の学びを深めていくコミュニティを構成する世界

今の若者世代がすでにそうなっているように、これからは、多くの人が転職したり、仕事を変えていく時代になる。そういう時に、新しいスキルや新しい手法などを学ぶ機会が増えていく。そのとき、一人で悩むより、多くの仲間と相談して、学びの機関や品質、感想などをシェアして、仲間と助け合いながら学べるコミュニティをネット上につくりたい。
そのネット上の世界では、自宅で居ながらにして、仲間と相談することはもとより、学びの機関やコーチを検索することも、実際の学びの時間をお試しすることもできる。また、ネット上で実際の学びを実践することができる。それは、Zoomのような単なるオンラインではなく、もっとリアルに近い臨場感で教材や先生と接することになり、ワークショップなどもよりリアルにできる仮想世界が繰り広げられる。場所も、スイスの高原だったり、社会課題の特定の場所だったりできる。また、課題の対象となる方々とのコミュニケーションができたり、解決策をバーチャルに試行できたり、教室ではなく、実感を持てる空間が提供される。
学びに必要なコーチ、課題、場所などが様々に提供できるのは、メタバースの世界ならではでないだろうか。そして、多様性のある方々との対話や体験もサポートされれば、新しい学びの世界が実現できるのではないだろうか。
メタバースの世界がどの程度リアル感覚に近くなっていくのかが楽しみだ。今のところ、オンラインだけでは不足感があり、やはりリアルの学びが必要だというのが一般的な意見だが、どうなるのだろうか。いいコーチ、多様性の高い仲間に恵まれる機会が得られるなら、もしかすると「リアルの現状」より学びにとってはより優れた仮想世界がつくれるのかもしれない。そうなると、企業人の学びだけでなく、「学校」という場も大きく変化するのかもしれない。

INDEX

デジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)が活動を続ける理由

設立エピソード

2014年、世界で起きていることを肌感覚で確かめるため、半年をかけて世界を回った。そこで感じた危機感を日本企業に正しく伝え、行動を促すための研究会を発足するために奔走。26社の名だたる企業と世界有数の大学と連携し、デジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)の立ち上げとともに我々のイノベーションジャーニーが始まった。

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