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【レポート】企業変革実践シリーズ第21回「新しい時代に求められる学び=ラーニングトランスフォーメーション(LX)を考える」

開催日:

2022年7月25日(月)、DBICでは企業変革実践シリーズ第21回として「新しい時代に求められる学び=ラーニングトランスフォーメーション(LX)を考える」をオンラインで開催しました。講師は、ユームテクノロジージャパン(UTJ)株式会社 ビジネスオーナーの西尾夏樹さん。UTJは、誰もが"教え手"にも"学び手"にもなれるAIデジタル学習プラットフォーム「UMU(ユーム)」を提供し、企業学習におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の支援をしているそうです。今回は、学習がどのように機能し、何が機能しないのかなどの研究についてのほか、効果的な学習結果を導くにはどうしたら良いのかにフォーカスしたお話しを頂きました。

UTJが提供するAIデジタル学習プラットフォームの「UMU」は、yoU(あなた)・Me(わたし)・Us(わたしたち)の3文字に由来し、みんなで学び合うのがコンセプト。それに基づいてUNDERSTAND(理解)し、MEMORIZE(記憶)し、USE(活用)してもらうサービスを提供しているとのことです。米国UMU社は9年前にシリコンバレーで創業、2018年2月に日本法人を立ち上げており、世界では延べ100万社、日本では1万7,000社強がUMUを活用しているようです。同社は、人材・組織開発をリードするアメリカの非営利団体ATD(Association for Talent Development)とも連携し、8年前から人材開発におけるオン・オフライン、VR学習など各種研究データを同団体に提供しているとのこと。ATDは、米国ヴァージニア州を本拠地に、世界120か国以上約3万5,000人の会員を有している組織です。

UMUでは、ブレンディッド・ラーニングを効果的に応用しながら、それをUMUという1つのプラットフォームを使ってデータを管理。従来の"感と経験"に頼る人材育成から、再現性を持った人材育成を実現しようしているそうです。実際、テクノロジーの力を利用して、コンテンツを配信して、誰がどれくらい学んだかをデータ化して管理できるようにする。例えば、「西尾がこれをやりました。ただ、西尾は合計得点が取れていないので最適なタイミングで自動的にメールで告知しよう」といった仕組みを構築。そうした仕組みを使って、受講者がどうやったら伸びるのかを科学し、それをタレントマネジメントにつなげようとしているとのことです。 西尾さんによると、企業内教育の実態は「1回教えて、1回コメントさせて、1回フィードバックさせて、それで現場に行ってらっしゃい」というケースが少なくない。事業部側からすると「人事部が教えたものは身になっていないよね、だからそっちに力を入れなくても良いよ」といったように企業内で温度差が生じていると言います。

しっかり業務適応させていくためには、業務シナリオに合わせた繰り返し練習とフィードバックが重要。実際に業務で使えるスキルを身に付けるためには、講義のほか、動画やファイルなどを使った効果的なインプットをした後に、学習設計に基づいた練習、その後、理解者や受講者同士によるフィードバック、業務現場での体験とロールプレイングなどのプログラムが必要になる。さらに重要なのはこのサイクルをぐるぐる何度も回すことだと強調していました。

西尾さんによると、最近では学習後のアウトプットの形を変えることがクローズアップされているとのこと。これまでは文章でアウトプットすることが主流だったが、このところ動画でのアウトプットも増えている。UMUの機能を使うことによって、PCのカメラで自撮りしながら、発言はAIが文書化するといった仕組みを活用。そうしていろいろな形でアウトプットすることによってその人の成長を促そうとしている。TikTokやYouTubeで当たり前にやっている若者にはウケが良いそうです。

次にコンテンツの捉え方の変化について話されました。動画を使って、社員の発言をまとめ、「イイね!」などの反応やコメントを集積していくことにトライしている企業も多数出てきている。 AIなどのテクノロジーや動画をインタラクティブに使うことで、様々なデータを可視化し、それによって再現性の高いものはどのようなものかをみんなで議論することが大切だと説きます。 学習コンテンツを外部から購入するケースも増加しているそうです。ベーシックなものでは、「新社会人のための言葉遣い講座」などもネット上で増加。コンサルティング大手のPwCでは社内で実施しているエクセル講座を外販するようになっているし、人材開発のためのツールもネット上で商材化してきている。UMUの中国サイトでは、中国の有名な事業会社の幹部が有料で学習コンテンツの販売に着手。中国企業では、人材をオープンにし、ブランディングに活用するようになっていると言います。「アップルストア」のごとく、人材開発もコンテンツとコーチをPRするようになっており、ドアノックツールとして脚光を浴びるようになっているようです。

UTJでは、ある外資系企業と共同で実証実験をしているそうです。それは「練習量の多い人はハイパフォーマーである可能性が高い」という仮説を立てて調査した結果、「しっかりと練習する人の方が多く行動する人よりも目標達成率が高く、多く練習する人は予算の大幅な未達が少ない」ことが分かったそうです。この実証実験では、自分のプレゼンテーション動画を撮影したものを見返して、何度も撮り直したデータを半年間にわたってチェック。その練習量の多寡をみた場合、こうした結果が出たそうです。その外資系企業では、社員にプレゼンの練習に注力するように指示を出し、その後、優秀なプレゼンをする社員が多用しているワードの分析に着手。お客さまの心に刺さるワードが何かを把握し、他の社員にも情報共有するように心掛けているということです。一方、優秀な社員の行動量はどんなものか、上長が誰か、上長は部下に適時コメントをしているのか、しているのならどのようなコメントをしているのか、ナレッジシェアをその部門はやっているのか、何時くらいに発言している上長なのかなど、かなり細かいことまで把握する努力をしている。人材開発の先進企業でも、ここまでやっているのは営業トレーナーのレベルで、全社的に新人研修までも含めてやっている例はまだ知りませんということです。

この後、西尾さんから、UMUの機能の紹介がありました。この機能を使うと、パワーポイントに書き込んだテキストをAIが読み上げるためのコメントを自動で生成してくれるとのこと。読み上げスピードも設定ができる。ただ、システムが生成した音声よりも、肉声の方が効果があるのは歴然なので、その辺りは、両方を混在させるか、一部分を肉声にするのかはプレゼンテーターのセンスの問題になると指摘していました。 最後に西尾さんのもう一つの顔である株式会社AllPersonalについての紹介がなされました。 同社は、2017年6月設立ですが、すでに日本最大級の人事向け教育コンテンツを保有している。「カンテラアカデミー」というWebコンテンツをUMUというプラットフォームを使いながらHRマーケットに向けて提供を開始しているそうです。

【スピーカー紹介】 西尾夏樹(にしお なつき)氏

同志社大学卒業後、2015 年 4 月 株式会社ワークスアプリケーションズに新卒入社。新人研修を上位 5%の成績で突破し、ECシステム営業部門に配属。中小企業を中心に EC の基幹システムの販売に従事しアポ取りから受注まで一連の営業プロセスを経験。並行して、新部署にて鉄道グループ向けCRM 統合サービスの立ち上げに参加。東海大学の教授を巻き込み、各鉄道グループ部長陣との分科会の企画から運営を行い会社の新プロダクトの立ち上げに寄与。
2018 年 3 月株式会社リフカムに営業リーダーとして中途入社。エンタープライズ領域の販売を担当し販売戦略を実行するだけでなく、TechCrunch 等のセミナー登壇によるリード獲得にも携わり、在籍 2 年で 会社売上の 4 倍に貢献。事業部長として、6名のチームをマネジメント。現在はユームテクノロジージャパン株式会社にて、ラーニングコンサルタントとしてマーケティング、営業従事。2022年からビジネスオーナーとして全体統括を行う。

・ユームテクノロジージャパン株式会社
https://umujapan.co.jp/

・株式会社Allpersonal 
https://allpersonal.co.jp/

デジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)が活動を続ける理由

設立エピソード

2014年、世界で起きていることを肌感覚で確かめるため、半年をかけて世界を回った。そこで感じた危機感を日本企業に正しく伝え、行動を促すための研究会を発足するために奔走。26社の名だたる企業と世界有数の大学と連携し、デジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)の立ち上げとともに我々のイノベーションジャーニーが始まった。

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