【レポート】横塚裕志が聞きたいシリーズ 第7回 「日米企業AI活用の差はなぜ生まれるか:新規事業における提言」

2017.12.20

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2017年12月20日(水)、DBIC/虎ノ門OGにて横塚裕志が聞きたいシリーズ第7回「日米企業AI活用の差はなぜ生まれるか:新規事業における提言」が開催されました。

ハーバードとグーグルが教えてくれた人生を変える35のルール』など多数の著書を執筆されている、パロアルトインサイトCEOの石角友愛様をお招きし、AI活用に向けた日本企業への提言をお話いただきました。

石角様曰く「AI活用=データ活用そのものである」。AIに誤ったデータを投入すると、誤った判断がされてしまいます。まずは偏りがなく公平性の高いデータを用意し、そのデータを元にした素早い意思決定ができる経営環境を作ることが重要です。今回は日米企業の差異に着目し、4つの提案がされました。

まず1点目は営業フォーカスに偏りすぎないこと。日本企業の経営会議に使われるデータは加工されていることが多く、売上ノルマ達成率などの営業成績にフォーカスした情報で意思決定がされています。しかし、それではお客様が本当に望む価値を知ることができません。

それを打破する方法のひとつとして提案されたのが「データミーティング」です。AppleやLinkedInなどで実際に取り入れられている手法で、クロスファンクショナルな部署の意思決定者が集まり、KPIの生データを見ながらディスカッションをします。データを見ることで、実際に現場で起きていること、顧客が求めていることを知ることができ、偏りのない意思決定をすることができます。

続く2点目はデータをオープンにすること。大企業はデータを公開することに否定的な場合が多いのですが、そもそも企業が抱えているデータの8割以上はビジネス上の成果につながらないと言われています。それらのデータを公開することで、様々なスタートアップがデータの分析に取り組み、そのデータにどのような価値があるのか、どのような偏りがあるのかを判断することができます。

3点目はボトムアップでデータ活用を進めること。トップダウンでAI導入を決定したテキサス大学のがん研究センターは失敗プロジェクトの例として有名です。いきなり「AIを使う」ではなく、現場のどのような課題をどう解決するかを考えて進めることが重要です。

そして4点目は長期的なビジョンを持って取り組むこと。単に「AIを活用する!」ではなく、何のためにAIを使うのか、誰のためにAIに投資するのか、そのビジョンがない取り組みは成功しません。企業トップがAI活用の本質を理解し、長期的に取り組むことが重要です。

AI活用は実験的×局地的な取り組みから、実践的×全体的な取り組みに移行するフェーズを迎えています。例えば「データミーティング」は明日からでもできる取り組みです。最初の一歩を踏み出し、まずはデータ活用に慣れていくことが必要、というまとめでプレゼンテーションが締めくくられました。

その後の質疑応答では「どうすればAI活用に向けたビジョンを作れるのか?」「大企業は情報提供に消極的だがどうすればよいか?」「データミーティングは具体的にどのように開催するのか?」「シリコンバレーでWatsonは使われているのか?」といった質問が参加者から投げかけられました。

どうすればAIの活用が進むのか、多くのヒントが得られたのではないでしょうか。

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